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東京九段下|靖国神社の『遊就館』に行ってきました

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壮大で哀しい、大切な記録

零式艦上戦闘機の写真
靖国神社
巨大な第一鳥居をくぐり、だだっ広い境内を歩いていきます。

第二鳥居、神門をくぐると、右手奥に『遊就館』が見えてきました。

ガラス張りの正面入口。
ガラス越しに「零式艦上戦闘機」(ゼロ戦)が見えます。
当時、卓越した運動性能を誇った飛行機。
“機能美”っていうのでしょうか、見惚れてしまう何かを感じます。

販売機でチケットを購入し、エスカレーターで2階へ。

本館展示室で最初に出迎えるのは、厳かで妙に美しい「元帥刀」。
宗良親王本居宣長、三井甲之、大伴家持の俳句が囲みます。
日本の武の歴史。刀、鉄砲、甲冑等、戦国の世の武具。

明治維新
アジアに迫り来る欧米列強。

拝殿向拝の鬼板が出迎えるのは、靖国神社の建設当時の様子。
特別展示室には、昭和天皇が着用されていた軍服が。

日清戦争日露戦争支那事変・・・

一階に戻り、時は大東亜戦争に移ります。
写真、飛行機、船の模型に加えて、飛行機等のひしゃげた部品が生々しい。
海底に潜んで、敵の船の底に向けて爆弾を付けた棒で突っつく、「伏龍」特攻隊員の像。

大展示室には、実物大の兵器、縮小模型などが展示されています。
真ん中に鎮座する人間魚雷「回天」、その奥には1機のみ復元された艦上爆撃機「彗星」や、艦艇の模型。
ショーケース内にはヘルメット、飯盒など生々しい遺品が並べられていました。

靖国の神々」と題した、第二次大戦の戦死者に関する展示室。
壁にびっしりと並んだ、戦死者の顔写真に圧倒されます。
直筆の手帳、家族にあてた手紙、遺書・・・。

ひととおり廻って、1時間40分ほどで玄関ホールに到着。
最初に観たゼロ戦の印象が変わり、なんだか哀しげに見えました。

遺品の写真

体当たり兵器

玄関ホールに飾られていたゼロ戦、大展示室に飾られた艦上爆撃機『彗星』は、終戦間際には特攻機として扱われましたが、本来は“往還”が前提の乗り物です。

そして、大展示室には最初から体当たり攻撃を目的とした兵器も飾られていました。

前者は爆弾を切り離せますが、後者は切り離せない。
「生」が前提か、「死」が前提か。

実物を観ると、明らかに雰囲気が異なっています。

『回天』

回天の写真
突起がほとんど無く、のっぺりとしているからか。
艶のない黒一色だからでしょうか。
艦橋がないせいで、潜水艦にはみえません。

人間魚雷。

やっぱり“魚雷”です、人が操縦する魚雷。
形だけでも異様さ、グロテスクさを感じさせます。

中に入れば、屈むしかないほどの細い躯体。
回天内部の写真
長居はしないから、多少の不自由さ、窮屈さは問題ない、ということでしょうか。
現代でいう“無人機”に漂う雰囲気と同じものを感じます。

【参考】『回天』を扱った映画:「出口のない海」(2006年)

『桜花』

桜花の写真
くもり空を連想させる色と飛行機らしい形により、「回天」ほどの不気味さやグロテスクさは感じません。
しかし、着陸用の車輪などが付いていないので、帰還を前提とした用途でない特別な兵器であることが解ります。

推進装置は、プロペラでもジェットでもなく“ロケット”。
一式陸攻という母機で敵艦近くまで運んでもらい、突っ込んでいく誘導ロケットです。

【参考】『桜花』を扱った映画:「THE COCKPIT」

震洋

震洋の写真
ベニヤ板で出来た、簡素な構造のモーターボート。

日本の陸地近くに押し寄せた艦艇に対し、夜間の奇襲により体当たり攻撃をするための、一人乗りの船です。
スッキリした外見に、不気味さを覚えます。

最後に

いまの日本、いまの世界を語るためには、当然知っておくべき近代史。
近代史を学ぶなら、一周することで歴史の流れをつかむことができる『遊就館』が適していると思います。

重いです。
観終わると、暗い気持ちになります。
観たあと、しばらく頭に残ります。

でも、知っておかなきゃならない。
忘れてはいけない。
そう、思いました。

戦争体験者が減っていく中、『遊就館』のような施設は貴重です。
気分転換、軽い気持ちで『遊就館』を訪問したのですが、想像以上のインパクトがありました。

「最近、辛いなぁ」と思ったら、足を運ぶことをお勧めします。
我々は、いい時代に生まれたんだな、と実感できますから。