>

実際使ってみて、どうよ?!

口コミ見ても迷ったらココへ!とりあえず買って試して紹介するサイトです。

特別展『ポンペイ』を観てきました

当ブログではアフィリエイト広告を利用しています

この記事をシェアする

観るに堪えない石膏像が・・・

「ナイル川風景」というモザイクポンペイ”と聞くとまず頭に浮かぶのは、人型の石膏像。
そして、朽ち果てずに残った当時の町並みや調度品。

東京国立博物館の特別展『ポンペイ』で最初に目にした展示品は、あの“苦しそうな”石膏像でした。

展示品

気になった展示品を、いくつか紹介します。

女性犠牲者の石膏像

女性犠牲者の石膏像の写真今にも動き出しそうな姿。
被災者の苦しみが伝わってくるようで、観ていて辛くなります。

ネコとカモ

「ネコとカモ」の写真紀元前一世紀のモザイク画。
モザイク画とは、塗料による絵画にくらべて色褪せにくく、壁画に使われることが多い技法です。

水道のバルブ

水道のバルブの写真青銅製のバルブ。
「青銅」とは銅と錫(すず)との合金で、腐食しにくく加工しやすいため美術品や貨幣などに使われていた素材です。

ワイン用のアンフォラ

ワイン用のアンフォラの写真
アンフォラとは持ち手が2つある陶器の器の総称。
底が尖った形をしているのは、地面に突き立てるためだそうです。

炭化した~

炭化した食べ物の写真炭化し、真っ黒な状態で固まったイチジク、干しブドウ、キビ、そしてパン。
先日食べたクリームパンに形が似ていたため、ポンペイでの当時の生活が妙に身近に感じられました。
この炭化したパン。クッションになって販売されているそうです。

踊るファウヌス

「踊るファウヌス」の写真
リアル・・・その一言に尽きます。
あまり正視したくない部分も、妙にリアルです。

ブドウ摘みを表わした小アンフォラ(通称「青の壺」)

「青の壺」の写真
ガラスでできた壺にカメオ(“瑪瑙めのう”や貝殻などを素材とした浮き彫り)が施されています。

思い違い

いきなり火山が噴火して何も出来ないまま火山灰に埋もれ、長い間保存されてきたのだと。
どうも、自分の解釈が少し違っていたようです。

ヴェスヴィオ山噴火直後は、ガスと火山灰でできた噴煙が吹き上げられ、松の木が覆いかぶさるように太陽の光を遮ります。
人々は降り注ぐ火山灰と暗闇の中を退避しました。
噴火後にいきなり溶岩流が流れてきたのではなく、逃げるための時間は充分にありました。
溶岩流によって犠牲となったのは、落ちてくる火山灰や軽石から身を守ろうと家に残った一部の人々であり、住民の9割は早々に逃げ出し、生きながらえたそうです。

そして、あの苦しそうな姿の石膏像。
ポンペイに埋まっていた遺体は約1800体。
それら遺体の歪んだ姿勢は、初期の発掘においては犠牲者の苦痛によるものと解釈されていましたが、むしろ、高熱によって即死した後、死体が熱ショックで痙攣したことによる可能性が高いとのことです。
苦しみもがいた姿ではないことがわかるだけでも、少し安心します。

予備知識

多少の予備知識で展覧会は何倍も面白くなります。
手っ取り早いのが、映画を観ること。
私は2014年に公開された映画『POMPEII(ポンペイ)』を観ました。

観終えるのに約1時間半。
出品数約150点と、見応えがありました。

ポンペイの本格的な発掘が始まったのは1748年。
それ以降、現在も発掘作業はまだ続いているそうです。

ヴェスヴィオ山が噴火した当時は、「天災はローマの神話に描かれる神々のけんかに巻き込まれたから、星々に描かれた運命によって起きる」などと考えられていたそうです。
現代では火山や地震発生のメカニズムが解明されていますので、とるべき行動は明確になっています。
逃げるが勝ち。
昔も今も、速やかに逃げることが唯一の生存方法であることは変わりません。

東京国立博物館の『ポンペイ』展。
火山灰などにより完璧に近い形で保存された住居や品々から、古代ローマ帝国の生活や文化に思いを馳せると同時に、災害に対する危機感を持つきっかけにもなる展覧会でした。

※参考書籍:『歴史を変えた自然災害』(ルーシー・ジョーンズ著)