辞職!自己都合?会社都合?雇用保険の給付金等 お得な情報を調べてみた
誰も教えてくれないし!
会社の先輩から相談、というか”調査依頼”を受けました。
いくら暇そうに見えるからって、そして、調べることが大好きでも、安易に頼みすぎじゃないか?
相談の内容とは・・・
その先輩というのが、
47歳男性
出世コースを外れ、昇給見込み無し
精神的に体調を崩して休職し、1年半が経過
そもそも、治るのか? 不安に過ごす毎日
職場復帰できず、退職の可能性を考えている
「社会保障など、行政のサイトを見てもイマイチ解りにくい」
「損はしたくない。最大限の保障を受けたい。俺の場合はどうすれば良いのか、端的に説明してくれ!」と言われました。
こんなこと、ふつう後輩に相談するか?と思いながら、先走りはじめた興味に動かされ、調べてみることにしました。
退職金で奢ってもらえる期待を胸に。
整理すると、先輩という“特定の人物”に関して、
- できるだけいっぱい“お金が支給”されて
- 支給期間が長くて
- 制限が掛からなくて
- 様々な手厚いサポートを受ける
ためには、 - どういう手続を
- どんなタイミングでやるべきか
を調べることになります。
調べてみると・・・
適用できるサービスは人によって異なるため、行政のサイトを見ても、ピンとこない。
よって、書籍やネットから情報をかき集めて整理し、先輩に説明した内容は以下のとおり。
精神障害者保健福祉手帳制度
「初診日から6ヶ月を経過した以降に作成された診断書により申請することができます。
認可まで2ヶ月以上かかるので、初診日から4ヶ月経過した時点で申請しておくと良かったんですけど。
所得税・住民税減免等の措置や交通機関の無料利用など、さまざまな特典が受けられます。」
傷病手当金制度
「病気で会社を4日以上休むなら、休業している間は給料の2/3が、最長1年6ヶ月支給されるという制度です。
自分で申請するというよりは、職場の労務関係箇所で手続してくれていると思うので、念の為に確認しておきましょう。」
失業給付金
「雇用保険に加入している期間が1年以上あれば失業給付金(失業手当)が貰えます。
退職理由など様々な条件によって、給付制限が付いたり給付期間は変わってきます。」
特定理由離職者申請
「失業給付金の給付制限に関する話です。
失業手当の給付は、リストラなど会社都合ではなく自己都合となる場合は、2ヶ月の給付制限が掛かりすが、“心身の障害”が退職理由の場合は、給付制限が解除されますよ!」
受給期間の延長申請
「退職の翌日から1年を過ぎても、就職できるようになってから改めて手続きすれば、失業手当を受給できるようになる制度です。
受給手続前に、受給期間延長を申請すると、有効期限(1年)のカウントダウンが止まります。
病気が回復して、就労可能になったら、改めて受給手続きを行えば失業給付金を貰えるようになります。」
国民年金の保険料免除制度(失業による特例免除)
「失業中の無収入期間に国民年金の支払いを免除してもらう制度です。
もよりの年金事務所か、区役所の国民年金課へ雇用保険被保険者離職票の写しを添えて、免除申請書を提出するか、日本年金機構のサイトから書式をダウンロードして郵送してもOKですよ。
ちなみに、年金免除の年度の考え方は、7月スタートの翌年6月までが1期間なので、可能なら7月に合わせたほうが良いかもしれませんね。」
健康保険
「健康保険の任意継続制度と国民健康保険とを比較してみましょう。
面倒なら、とりあえず1年目は健康保険の任意継続制度を利用しておいて、2年目以降に向けて、後でゆっくり検討するという方法がよいでしょう。
いちど国民健康保険に切り替えてしまうと、健康保険の任意継続に戻れなくなってしまうので。」
公共職業訓練
「失業手当所定給付の3分の2を受給し終わるまでに公共職業訓練を受講すると、失業手当が訓練終了まで延長される場合があります。
先輩の場合ですが、退職時に「特定理由離職者」として認定されて、退職後も精神疾患の治療のために「受給期間の延長申請」するとします。
病院から治療終了の診断書をもらって、失業保険の受給申請を行って、失業手当所定給付の3分の2を受給し終わるまでに公共職業訓練を申し込むと、失業手当を訓練終了まで延長してもらうことが可能になります。
更に、交通費(「通所手当」)と「受講手当」がもらえるので、受けないと損ですよ!」
求職者支援制度
「求職者支援訓練、または公共職業訓練を受講すると、月収8万円以下、世帯全体の金融資産が300万円以下であることなどの条件を満たせば、職業訓練受講給付金(月10万円)が支給されます!」
確定申告
「もう会社員じゃないので、年末調整なんてものは無いですから、ご自分で確定申告しなきゃです。」
※ https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000135026.html
まとめ
失業保険などさまざまな保障制度がありますが、適用条件が細かく設定されていたり、申請のタイミングが重要だったり。
自分は、どの保障を受けることができるのか、いつまでにどこで手続を行えばよいのか。
綿密な事前調査や、余裕をもったスケジュールの組み立てが必要になってきます。
公共職業安定所(職安/ハローワーク)に行って相談するにしても、予備知識があるに越したことはありません。
雇用保険法は絶えず改正されているため、常に最新情報を入手し、損せずお得な“失業ライフ”を送りたいものです。
参考書籍
失業保険150%トコトン活用術
(日向咲嗣 著)
職業訓練150%トコトン活用術
(日向咲嗣 著)
国民年金150%トコトン活用術
(日向咲嗣 著)
退職・転職を考えたらこの1冊
(岡田良則 著)
「届け出」だけでお金がもらえる制度一覧
(小泉正典 著)
社会保障入門(橘木俊詔 著)