キレイ、フシギ、コワイ・・・さまざまな思いが沸き起こる展覧会
上野の国立科学博物館で開かれている特別展『植物 地球を支える仲間たち』。
会場に入ると、巨大なアサガオやチューリップの球根に歓迎されます。
キレイ、カワイイ植物も、デカくなるとちょっとコワイ。
特に筆者の興味をひいたものを、いくつか紹介します。
ラフレシア
世界最大の花。
グロいけど、なぜか何度も見たくなる花。
地面から直接咲いている姿も異様です。
死肉やトイレに形容されるような、強烈な匂いでハエなどを誘います。
写真だけでもインパクトあるのに、この等身大模型、かなりの衝撃です。
因みにこの花、つぼみが膨らみ始めてから開花するまでが約1ヶ月。
やっと咲いても3日くらいで散ってしまうそうです。
咲いた状態を目にするのは相当レアだということですね。
ハエトリソウ
実物の数倍デカい拡大模型。
グロさも数倍です。
こんなグロい葉っぱに、接触しようとするハエの気が知れません。
葉の上にある感覚毛が2回、刺激を受けると葉を閉じて捕獲するそうです。
2回の刺激を必要とする理由は、雨やチリなどが当たっても閉じないようにするため。
なかなか、精巧な仕組みです。
ムラサキウツボカズラ
蜜で虫をおびき寄せて、消化液の溜まった袋に落下。
もがけばもがくほど消化液は侵み込み、溶かされる。
一気に急所を仕留める肉食動物より、なんだか残酷な殺し方のような気がします。
オオミヤシの種子
植物の種としては世界一重くて世界最大。
高さ30mの幹、直径40cmの植物なので、種もそれ相応に大きいのは何となく理解できますが、それにしても大きすぎ。
ミジンコウキクサ
500倍の拡大模型。
メダカのエサとして知られている水草です。
世界最小の顕花植物(花を咲かせ、実を結んで、種子で繁殖する植物)。
因みに花、の大きさは0.1~02mm(!?)
実物だと、ほとんど見えませんね。
ジャックフルーツ
日本人には馴染みが薄いと思いますが、人が食べる果物の中では最大。
最大級で40kgだそうです。
最後に
個人的には食虫植物を見るのが目的でした。
捕食の様子は映像で観ることができます。
リアルに捕食しているところを見られるかと、期待していましたが・・・常に食べてるわけじゃないし。そりゃ難しいですよね。
訪問したのは土曜日。
夏休み真っ只中、家族連れが多い印象です。
植物の多様性や、光合成の仕組みなどを学べる展覧会。
説明書きが充実しており、次のブースに進みたい子供が、読むのに熱心な親を引っ張っていく光景が目につきました。
最古の植物化石や、遺伝子組み換え技術で作られた「青い菊」など、地味に興味を惹かれます。
第2会場には若手研究者がパネルで紹介されていたり、子供の興味を惹き夢を持たせる工夫も感じられます。
『植物 地球を支える仲間たち』は、子供だけでなく(というより、むしろ)大人も楽しめる展覧会でした。
特別展『植物 地球を支える仲間たち』
2021年7月10日~9月20日(国立科学博物館にて)
特別展「植物 地球を支える仲間たち」2022年1月14日~4月3日(大阪市立自然史博物館にて)