エネルギーがみなぎってる!!
ベアトリス・ゴンザレス《追放された壁紙》
世界各地で創作を続ける70代以上の女性アーティスト16名による展覧会。
“命かけて遊んでるっていう感じ”・・・気力が伝わってきます。
気になった作品
宮本和子
宮本和子《黒い芥子》
黒い糸がびっしりと張られた作品。
観ていると、目の焦点が合わなくなるというか、遠近感がなくなってきます。
宮本和子《黒い芥子》
釘をしっかり打ち付けて固定されていました。
宮本和子《黒い芥子》
それにしても、美しい。
観る角度によって、異なった表情を魅せます。
アンナ・ボギギアン
アンナ・ボギギアン《シルクロード》
絹をイメージした作品。
作品の意図ではないと思いますが、私には、吊るされた無数の絹糸がまるで雨のように見えていました。
すると、床の反射が、水たまりにも見えてきて。
雨音を聴きながら、しばし作品に魅入っていました。
ミリアム・カーン
ミリアム・カーン《美しいブルー》
夢の中?記憶の中のイメージ?
動いているように見えるような、不思議な感覚。
白くぼんやり浮かぶ人の叫び声が聴こえてきそう。
三島喜美代
三島喜美代《作品2-A》
陶器で創られています。
三島喜美代《作品21-C2》
近づいて、よーく見てみると、たしかに陶器です。
徹底してリアルに創ってあり、見事です。
観る者に挑戦してくるような難解な作品もよいのですが、こういう解りやすい作品は素直に驚くことができて、好感持てます。
三島喜美代《作品92-N》
これだけ大きな作品だと、「どうやって運んできたのかな。細かく分割できるのかな」と、余計なことを考えたりしてしまいます。
三島喜美代《作品21-G》
含蓄のある言葉
各アーティストブースの紹介文冒頭に、彼女たちの言葉が記されています。
イメージを具現化できるアーティストって、発する言葉にも含蓄があったりします。
気になった言葉を、勝手に解釈させてもらいました。
キム・スンギ
自分を見つけることは、自分を忘れることと変わらない。
今の自分は、本当の自分なんだろうか。
無意識のうちに型にはめ込んでしまって、自然体の自分ではなくなっているのではないだろうか・・・
本当の、本来の自分になるためには、今の自分をいったん捨てなければならない。
センガ・ネングディ
私は他人がやっていることはできないのです。
私にできるのは『私が本当にやっている』と思える仕方で物事を行うことだけです。
人は人、自分は自分。
自分ができることを、精いっぱいやればいいんです。
他人をうらやんだり、他人と比較するのは無意味ですよね・・・。
ミリアム・カーン
それが一体何なのかを知らずに、作品を見ることができなくてはなりません。
感じ方は人それぞれ。
作品を観て各々が何かを感じること、各々が答えを考えることが大切なんですよね。
最後に
ボリュームのある展覧会でした。
絵画、彫刻、インスタレーション・・・16人のさまざまな表現に、脳のあらゆる部分が刺激され、終始、興奮しっぱなし。
71歳~105歳。今なお活動し続けているアーティストの作品であると思うと、改めて驚かされます。
うっかり行きそびれていましたが、開催期間が延長され観ることができました。
『アナザーエナジー展』は、刺激とエネルギーをもらえる、充実した展覧会でした。
『アナザーエナジー展:挑戦しつづける力-世界の女性アーティスト16人』
2021年4月22日~2022年1月16日
森美術館(六本木ヒルズ森タワー53階)にて
アナザーエナジー展: 挑戦しつづける力―世界の女性アーティスト16人 | 森美術館 - MORI ART MUSEUM
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